葉酸サプリは天然由来のものと化学合成のものどちらがいいのか?メリットとデメリットを比較

葉酸サプリに関しては、大きく分類すると天然由来のものと、化学合成のものの2種類があります。一体どちらがよいのか、メリットとデメリットを比較してみました。

まず、大前提として、厚生労働省が推奨しているのは葉酸をプテロイルモノグルタミン酸として1日400μg追加で摂取することです。細かい説明に関しては、2種類の葉酸、モノグルタミン酸型とポリグルタミン酸型について説明したページをご覧いただくとして、簡単に言うと、化学合成のサプリで摂取できるモノグルタミン酸型の葉酸は、分子が小さいので吸収がされやすいのですが、食事や天然由来のサプリで摂取できるポリグルタミン酸型の葉酸は、分子が大きいのでモノグルタミン酸型の葉酸の半分の吸収率になってしまうということなのです。

つまりは、化学合成の葉酸400μgと同じ量の葉酸を天然由来の葉酸で摂ろうと思ったら、800μgを摂取しなければならないということです。

ただ、各葉酸サプリメーカーのページを見ると、天然由来の葉酸サプリメーカーに関しては、食事性葉酸(ポリグルタミン酸型)を酵母を使って分解する、という一手間を加える事で、化学合成の葉酸と同じ、モノグルタミン酸型のものにしているところが多いようです。

ということで、以上を踏まえて、天然由来のものと化学合成のもの、葉酸サプリはどちらがよいのかを比較します。


天然由来の葉酸サプリのメリット
・特定の栄養素以外にもいろいろな栄養がバランスよく取れる
・消費者心理として安心感を感じる

天然由来の葉酸サプリのデメリット
・価格が高くなりがち
・サプリによっては、葉酸の吸収率が悪いものもある
・粒が大きくなったり、匂いがあったりしがちで、若干飲みにくい傾向

化学合成の葉酸サプリのメリット
・厚生労働省が推奨する葉酸サプリによる葉酸400μgを確実に摂取できる
・天然由来のサプリと比較して安価である
・粒が小さく、無臭で飲みやすいものが多い傾向

化学合成の葉酸サプリのデメリット
・特定の栄養素しか摂取ができない


と、それぞれメリットとデメリットがちょうど反対になる感じですね。ネット上だと、それぞれの陣営が反対の陣営を激しく攻撃しているような構図を見かけたりするのですが、双方に良さはあるものだと私は考えています。

天然由来のものに対する心理的な安心感、というのも、消費者心理としては理解できるものですし、長く使うものなのだから、そこにこだわりを持つ、というのは全然ありな選択なのではないかと思います。実利的にも天然由来のサプリに関しては、副次的な効果でいろいろな栄養素も同時に摂取できるという部分は、魅力的かと思います。

ただ、天然由来のものはコストがどうしても高くなりがちになることと、そもそもの大前提としてサプリでの葉酸追加摂取はモノグルタミン酸型のもの1日400μgが推奨されているので、きちんとモノグルタミン酸型の葉酸にしているものを選ぶ必要がありますよ、ということです。


私もそうですが、実利主義、合理主義的な考えの人は、化学合成の葉酸サプリの方が、好みに合うのではないかなと思います。値段も天然由来のものより安いですし、何より厚生労働省が推奨するモノグルタミン酸型の葉酸を400μg確実に摂取することができます。

ただ、天然由来陣営の方からは、石油が原料だのなんだのと、イメージを落とすような攻撃をしばしばされてしまったりしているところは、かわいそうかなと傍目に見ていて感じます。あくまで葉酸の摂取は、神経管閉鎖障害に起因する先天異常のリスクを低減させることであって、それに必要な数値は、モノグルタミン酸型の葉酸400μgなのです。それを確実に担保することこそが一番重要なことです。


以上、2種類の葉酸サプリ、天然由来のものと化学合成のものに関するメリットとデメリットを比較しました。葉酸サプリ選びのご参考にしていただければと思います。